第118話：ラジオ生放送で5球だけで…

ただでさえ少ない睡眠時間が暑さのせいで眠れないと

困るので、エアコンを24度と、やや寒く設定して途中で

暑さで目が覚めないようにして寝ている。

その為に神経痛にはダメージが大きいらしく、今年は例年

に無く神経痛の痛みの度合いが厳しくてゲームの途中で

打てなくなることが増えている。

それで先日の“ポニーメイツ”という、ラジオの人気番組の

生放送ではうまく凌ぐことが出来るかが大きな不安だった。

“ホームランを打つにはどうしたら良いか”という質問に

答えた後に、実際に5球打って下さいというリクエストに

なった。

このところ神経痛と暑さによる心身ともにダメージが蓄積

している最悪に近い状態の為に全く自身は無かった。

本当はホームラン記録保持者としてホームランを打って

ほしいと思っておられることがわかっていたのだが、

痛み止めを倍にして、これに漢方薬を加えて飲んで行った

のだが、副作用で両足がようやく靴が履けるほどに

パンパンにむくんでいたし、体も鉛のように重たくてキレが

無かったので、ヒット性の当たりを一本打てれば御の字

という我ながら情けない状態だった。

ところが、なんと最後の5球目が打った瞬間にホームラン

だという手応えを残して上段に飛び込んで行った。

生放送の上にたったの5球だ。

これを心身ともに最悪の状態で打たねばならなかったのだ。

それが最後の5球目で、近頃見られなかった鮮やかな

ホームランとなったのだ。

女性キャスターがホームランの女神さまに見えた。

このところ身体状況が良くないことが続いている為に、“引退”

の二文字がよく頭をかすめるのだが、

天の神様の“まだ引退はするな”という強い意志を感じた

一発だった。

当分はまた若者達の最大の悪役として1200gの重量バットを

振り回して頑張って行かねばという、新たな強い気持ちが沸いて来た

生放送となった。