第1話:「一打入魂」の生き甲斐

今から20年前、62歳の時に糖尿病を発症し、医師から食事療法と何か運動をして汗を流すようにと命じられた。

車のテストとレポート書きという仕事柄、歩くのは苦手だった為に、バッティングセンターに通ってバットを振って汗を流すことにした。

野球は未経験だった為に全く打てなかったのだが、野球青年たちが手取り足取りして教えてくれた。

上: 始めたばかりのバッティングフォーム(62歳) 下: 4年後のバッティングフォーム(66歳)

やりだすと徹底的に凝る性格の為に、急激に上達して一年目には「サングリーン・ドーム」のホームラン王になった。

テレビのディレクターの人から、“鹿児島のイチロー”と名付けられ、5 年連続のホームラン王になった。

そんな時、全国のバッティングセンターを回っているという打者から“こんな狭い処でのホームラン王ではダメ、北九州に「三萩野バッティングセンター」という全国から強者が集まる名物センターがあるので、あそこでホームラン王になれたら、本物として認める”と言われた。

直ちに道場破りの旅に出て、“ホームラン王を取りに来ました”と宣言して、名物ホームラン王と激戦を繰り広げてホームラン王をもぎ取った。

これは大きな自信になって、その後度々武者修行の旅に出るようになり、少しは名の知れた打者になれた。

以来、タフさと腕力の強さを武器に、「メテオ・ドーム」という広いバッティングセンターで、若者達と力対力の真っ向勝負の戦いに没頭するようになった。

81歳の昨年、「130km/hの球速に於いて一ゲームで 7 本のホームラン」という記録も樹立した。

そして、ふと気づくと82歳間近になっている。

そして、気づくのが遅れたが、前立腺ガンに侵されて肺へも転移している。

同病の同期の人達は私より軽いのに、殆どがガンの恐怖にさいなまれていて、食事もノドを通らないとと嘆いている。

私は幸いなことに、“ホームランの記録保持者”として若者達の挑戦を受けて立つ責任があるので、ガンなどは眼中に無く、やたらと元気で過ごせている。

「一打入魂」という集中力と鍛え上げたパワーで、いまだに若者達を力づくでねじ伏せることが出来ている。若者達も真っ青の大きなホームランも打てている。(KYTテレビより)

ありがたい人生だった。

“だった”ではない、今後も“椎間板ヘルニア”という、打者にとってはガンよりも厄介な病と、命を削るガンの二つを抱えながらの戦いは続いて行くのだ。

鹿児島のイチロー

初心者からプロ野球志望者まで楽しめる 三萩野バッティングセンター
世界最速マシン、ソフトボールマシン、投球、スイング等各種スピード計測、元プロ野球選手による野球教室
※野球少年少女応援します 野球・ソフトのチーム/部活の小中学生は無料で1ゲームサービス
TEL:093-931-0608  北九州市小倉北区三萩野2-4-34(市民球場近く、三萩野病院前)
(月〜土) 11:00 AM – 10:00 PM  (日・祝)10:00 AM – 10:00 PM   年中無休

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