「瓦礫の中から使えるモノを探さねばならない飢餓の日々」
親戚の家が爆撃の直撃を受けて、下の写真のように廃墟になっていた。
避難先で雨露をしのぐために“掘っ立て小屋”を作らねばならないので、
お袋と使えそうなモノを探しに行くのも私の仕事だった。
借り物のリヤカーに色々な廃材や家財道具の使えそうなモノを積んで、私は後ろから
押して 4km ほどの道を帰るのだが、飛行機が飛んでくると、必死に近くに散乱している大きな
瓦礫の陰に逃げ込んでいた。
南方から本土へ爆撃に行くのも鹿児島を通るので、何度もこういう無駄な退避行動を
とらされていた。
鹿児島は 6月17 日の大空襲で全市内が消失したのにも関わらず、訓練なのかどうかは
分からないが時々爆弾を落としに来ていた。
もう迎え撃つ戦闘機もいなくなっていたので B17やB29の大きな機体が護衛戦闘機もつけずに
単独で飛んで行ってた。
時には子供が見ても分かる旅客機が単独で飛んで来て、“降伏しなさい”と書いたビラを撒いていた。
お袋たちは“死んでも降伏なんてするものか”と息巻いていたが、
日々食べ物が無くなりつらい飢餓状態に追い込まれて仲間同士のけんか沙汰が増えたりしていた。
戦争末期の悲惨さは筆舌に表せない。
今ウクライナの映像を見るだけでもスグ昨日のことのように思い出す。
しかし、もう思い出したくない残酷極まりない状態だった。
(この回で戦争の思い出は終了とさせていただきます)
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