第53話：鹿児島のイチローの回想録㊺「新型コロナの影響でイベントが無いので…」

半年ほど前からよく打ち合いをしているS という野球青年から、新型コロナ以来

何もイベントが無くなってしまって楽しみが無いので、何かイベントを考えて

メテオドームに提案を出してみてくれませんかと相談を受けた。

二人で色々と考えてみた結果、まだメテオドームに頼むのは時期が早いようなので、

自分たちだけで好き者達を誘って何かやろうということになった。

二人が共通しているのは、高くて大きなホームランを打てるということから、

テレビが私のホームランに名付けている「特大ホームラン」というのがあるので、

コレに挑戦するイベントをやってみようということになった。

そして分かりやすいようにと、“特大ホームラン”と名付けられたテレビ画像を写真に

写したものがあったので、コレをコピーしてラミネートをかけてカードを作った。

ホームランゾーンの赤枠の遥か上方に、丸く囲んだ N という字の左横に“青色の矢印”が

つけてあるが、ソレが私のホームラン打球の位置を示してある。

挑戦希望者達にコレを渡して、自分がこのホームランと同じくらいのを打ったら、挑戦

希望者達の中から三人の現認者を選んで見てもらい、もう一度同じようなホームラン

を打てたら、メテオドームの公認記録に申請しようということになった。

これまでも時々、二、三人寄り集まっては挑戦して来ていて、私はもう何本も打っているが、

他に打った打者は今のところ誰も居ない。

単に打ち上げるだけでなく、打球に逆スピンをかける打ち方をしないとこの高さまでは

届かないのだ。

果たして何人の挑戦希望者が現れるか、何人が達成できるか、大きな楽しみが一つ

出来たわけだ。