第110話：ヘモグロビンA1cとの出口の見えない戦い

先のテレビでは現役の高校球児とホームラン対決をさせられたのだったが、

全く久しぶりのことだったので、もうめちゃくちゃ気合いが入って、かねては

なかなか打てない最上段に突き刺さる大きなホームランを二本も打てて

勝利をおさめることが出来たのだった。

放映後に、“テレビを見せてもらいましたよ、凄いホームランで、

見ている球児が「かなりエグイ」と言ったり、対決した球児が

「間近で見たら凄かった」と言っていましたよね“ と、退院後の私を見舞いに来て

下さったファンの人達が喜こびのコメントを下さったのだった。

この人達をはじめとして皆さん私の実際のホームランを見たいと言われるので

神経痛が酷くない時は一ゲームづつ打って見せてあげている。

ところが、糖尿病が悪化してヘモグロビンA1cの値が大きく許容値を越えて

いることからこれまでに無い粗食生活を強いられている為に、パワーダウン

してホームランを打てなくなっているのだ。

長年の外食暮らしがカロリーが多いことから、一食が500kcal程度の

を生協の弁当をとることにして何とかしてA1cを下げようとしているが、

不慣れな低カロリー食で益々パワーダウンしてホームランが遠くなっている。

このままではもうホームランを打つことは出来なくなるというところ

まで来ている。

ホームラン人生をとって美味い物を好きなように食べて命を危険にさらすか、

ホームラン人生を諦めて低カロリー食で長生きの道を選ぶか…

いよいよ二者択一を迫られるところまで来ているようだ。