第77話:「去り行くライバルとの最後の対決の思い出」

今年の最初のホームラン対決は、昨年末のホームラン対決でお互いに一本もホームランを

打てなかった為に引き分けに終わった O君との再戦だった。

風邪の為に三十五年ぶりに全く声が出なくなっていたのだが、体は別に何処も悪くなかったので、

約束の時間にメテオドームに行った。

スタッフの青年からオミクロンじゃないですよねと、念を押されたが、

入り口の熱感知器が 36.4 度だったので、自信を持って首を横に振った。 

しゃべろうとしても、カサカサという音しか出ないので O 君がびっくりして、

今日はやめにして良くなられてからやりましょうと言ってくれたが、

バットを振るフリをして指でオーケー印をやって見せて予定通りに戦うことになった。 

彼が五番打席の 110km/h を打って、私は六番打席の120km/h を打つという、並び打ちでの戦いだ。 

今年の第一戦なのでなんとしてでも勝ちたいと思った。

当然のことながら彼も同じ思いだったようで、力みが出てなかなか芯でとらえることが出来ないのだ。 

私も力むまいと思っているのに、早く彼より一本打ち込んで楽になりたいと、

無意識なうちに焦るせいか全然打てない。

お互いに凡打を繰り返すうちに半分を打ち終わった。

また、去年のように二人とも一本も打てないままで引き分けるのかという、嫌な予感がした。

と、そんなところへ彼が目の覚めるようなライナーをフェンスに叩きつけたのだ。

これで私はビビリが出て益々打てなくなった。

そんな私の状態が分かるらしく、彼は精神的にゆとりが出たようで二、三球おきにいい打球を放っていて、

いつホームランを打ってもおかしくない状態になった。

だが、残り五球になってもホームランは出て来なかった。 

今度は彼に焦りが出る番だと思うと、私がいい当たりを打てるようになって来た。

ここで一本打ってケリを付けたいと、もう必死になって当たるも八卦当たらぬも八卦という感じで

バットを振り回した。

残り二球の時に詰まりながらも、一本ホームランゾーンに飛び込んでくれた。

もう一本打たねば逆転される、もう一本ッ” という気持ちで必死こいて振ったのだが、

大きく空振りしてしまった。 

ただ、彼はついに一本も打てずに終わった為に、去年からの戦いはギリギリで私の勝ちとなった。

この長年にわたって何度も接戦を繰り広げて来たライバルの O 君がお母さんの介護の為に

鹿児島を去ることになった。

お二人の末永いご健勝を祈って空港まで送って行った。

年を重ねると、淋しい別れが増えていく一方な気がしている。

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