第96話：「実は入院前の最後の若者達との戦いに負けてしまった」

入院前の若者達との最後のホームラン対決を行ったのだが、ガンに罹って以来、

気力を振り絞って戦っていた為に一度も負けたことは無かったのだが、

ついに最後の最後に負けてしまった。

となると、退院後は“リベンジマッチ”ということになる。

長い入院生活では素振りのトレーニングも出来ないし、体の鍛え方も

僅かしか出来ないので筋肉は痩せ細るし、一番大切なスイングパワーも

無くなるものと思われる。

リベンジマッチにとっては大きな問題だ。

対決の時にいつもの1200gバットを重たく感じたので、素振りをやめていることが

パワーダウンの原因だと思った。

それで長期の入院によって益々パワーが削がれていくことは確かなので、

これまでよりも100g軽くした 1100gで先端に釘を打ち込んで超トップバランスにした

バット(写真の上側のバット)をメインにして打って行くことにした。

まだ軽いバットに馴れないせいか、なかなかホームランを打てないし、打っても小学生球児

程度のホームランにしかならない。

見舞いに来てくれたファンの人達が大喜びする大上段に突き刺さる豪快なホームランとは程遠い

小ぶりなホームランしか打てなくなっているのだ。

入院までの三週間という残された日々をこのバットで打ちながら、重たいバットに馴れたスイングを

徐々に軽いバットでも飛ばせるスイングを形成して行かねばならない。

そして退院後は出来るだけ早い機会に大きなホームランを打てるようにせねばと思っている。