第41話:鹿児島のイチローの回想録㉝「2010 年の秋・非情に過ぎて悔いの残っているホームラン対決」

「鹿児島のイチローとの一対一のホームラン対決」というイベントをメテオドームのご協力のもとに開催をお願いしようと準備を始めた頃、一人の高校球児の父親が、“一度でいいですからうちの息子も一緒にテレビに出られるように担当者の人にお願いしてもらえませんか”、と言って来た。

凄いお金持ちの家らしく一度に 5 千円カードを使い切って、時にはまた 2 千円カードを買って 30 ゲームほどを打つという裕福さだった。

一方の私は一日に二ゲームしか打てない貧乏打者だった為に、いつもその球児を羨ましさと妬みの気持ちで見ていた。

そんな時、偶然東京のテレビ企画会社のディレクターだという人が、“鹿児島のイチローさんのドキュメンタリー番組を作ろうかと思っています”と言って来られた。

ちょうどその高校球児父子も来ていたので、紹介してあげねばと思っていた矢先に、そのお父さんが直接ディレクターの人に“うちの息子を鹿児島のイチローさんと対戦させて下さい“と売り込みをかけられたのだ。

折角、少しでも良い方向になるように紹介して上げねばと、結構色々と考えていたので物凄く腹が立った。

ディレクターの人は、“わかりました、ではどれくらい打てるのかを鹿児島のイチローさんと対戦して見せてもらいましょう、息子さんの先攻で打って下さい”と言われた。

もうかなり打っていたので目も体も十分に打ち慣れていたはずだったが、一本しかホームランを打てなかった。

私は全くウオームアップ無しの状態だったが、怒りの気合が凄かったのであっという間に二本を打って逆転した。

本当ならこれで十分なのだが、こっちの気持ちを踏みにじって売り込もうとしたことと、かねての豊かさへの妬みの気持ちがあったことから、“とことん潰してやろう”と思って気合いを緩めず打ったために 6 本のホームランを打った。

ディレクターの人が、二人に、“十年早いんじゃないですか、お話は聞かなかったことにします”、とかなりの冷たい言い方をされた。

二人は、がっくりと肩を落として帰って行った。

十年以上経った今でも、秋になるとこのお父さんの打ちひしがれた背中が忘れられないのだ。

“なぜ二本打った時点でやめられなかったのか”と、己の心の狭さを悔やんでいる。

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